【2024年以降】建築資材高騰はいつまで続く?原因を詳しく解説!負担を軽くする仙台市の補助金も紹介

本記事では、近年の建築資材価格の急上昇の原因を明確にし、この価格高騰が背景にある社会・経済的な状況に焦点を当てます。さらに、将来の建築資材価格の動向についても詳しく解説します。

建築資材高騰の原因は?

まずは、建築資材が高騰している原因は大きく下記の5点になります。

  • ウッドショック
  • アイアンショック
  • ロシア・ウクライナ戦争
  • コンテナ料金の上昇
  • 円安

ウッドショックとは?

ウッドショックとは、輸入木材価格の急激な高騰を指します。2020年に始まった新型コロナウイルスの流行により、世界中でリモートワークが普及しました。

これに伴い、アメリカや中国などの都市部から郊外への移住が増加し、住宅建設需要が急増しました。その結果、木材の需要が急増し、供給不足が生じ、これが木材価格の急騰を引き起こし、ウッドショックと呼ばれる現象が発生しました。

特に住宅建設において大量の木材が必要とされるため、建築資材の価格に大きな影響を与えています。

さらに、木製家具も幅広い種類があり、人気が高いです。テーブルや椅子はもちろんのこと、ソファの内部フレームにも木材が使われています。そのため、家具の価格にもウッドショックが影響しています。

現在、一部のハウスメーカーや工務店では、木材価格が当分の間元に戻ることはないかもしれないと予測しています。理由として、アメリカでは「Z世代(25〜34歳)」や「ミレニアル世代(35〜44歳)」が住宅購入や建設を希望する割合が増加しています。

アメリカの人口が多く、このような世代が住宅需要を牽引する場合、ますます多くの木材が必要になることが予想されます。また、アメリカの一戸建て住宅は、日本と比較して非常に大きく建てられることも影響しています。

アイアンショックとは?

アイアンショックとは、鉄の輸入価格の急激な上昇を指します。鉄筋や鉄骨などは、オフィスビル、物流施設、大型商業施設、マンションなどの建設に広く使用されています。また、さまざまな住宅設備にも利用されており、建築資材や住宅設備の価格に影響を与えています。

この鉄価格の急上昇は、アメリカや中国などでの住宅需要の急増が関係しています。新型コロナウイルスの影響がやや緩和されると、経済活動が再開され、住宅需要が急増しました。これにより鉄の需要も増加し、主原料である鉄鉱石の不足が生じ、価格の上昇を招きました。

日本は鉱物資源の多くを輸入に頼っており、鉄鉱石については100%輸入に依存しています。世界的な供給不足により価格が高騰する状況にあっても、輸入に頼らざるを得ないため、建築資材の価格上昇からは逃れられません。

ロシア・ウクライナ戦争

ロシア・ウクライナの紛争が発端となり、ロシアへの経済制裁が建築資材の高騰に拍車をかけています。日本を含む多くの国が経済制裁により、資源大国であるロシアからの建築資材の輸入が制限されました。

世界各国がロシア以外から資源を調達することで、資源価格が上昇しています。日本は高騰した価格で資源を購入せざるを得ず、その結果、輸入価格が上昇しています。

政府の決定により、木材チップ、丸太、単板などの住宅資材がロシアからの輸入禁止の対象となっています。特に単板の禁輸が影響を受けており、日本の単板輸入の80%以上がロシアからのものであったため、この制限は甚大な影響を及ぼしています。

木材の需要と供給のバランスが崩れ、それが価格への影響を招いています。

コンテナ料金の上昇

コンテナ料金の上昇は、コロナウイルスの拡散が引き金となり、コンテナの不足が生じたことによるものです。この現象がなぜ資材価格の上昇に繋がるのか、初めは疑問に思われるかもしれません。

その理由は、ステイホームやリモートワークの増加により物流が活発化しすぎたことにあります。人々が移動せずに、物品の移動が大幅に増加した結果、コンテナが不足する状況が生じました。

住宅需要が高まる中、関連する資材や設備を運搬するコンテナが不足すると、輸送などの物流コストが上昇します。この追加費用が資材価格の上昇に影響を与え、結果的には住宅価格の上昇に繋がっていくのです。

急激な円安

円安が進行しており、2022年に入るとさらにその傾向が加速しました。1ドル=150円台まで円安・ドル高の状況が続いています。円安になると輸入費用が増加し、これまでよりも仕入れ価格が上昇します。日本は鉄鉱石などの資源を含む建築資材の多くを輸入に頼っているため、円安も建築資材高騰の一因となっています。

円安の原因の一つは、日本の低金利政策にあります。世界の主要国は、インフレに伴う物価上昇を抑えるために中央銀行が金利を引き上げ、インフレ対策を行っています。一方で、日本は低金利政策を維持しており、アメリカなど早くから金利を引き上げる方針を取っている国々との金利差が広がっています。

このため、金利の低い「円」よりも金利が高い「ドル」を買う動きが活発になり、円が売られてドルが買われる状況が続いています。これにより円安が進行し、ますます深刻化しています。

価格高騰はいつまで?

価格高騰がいつまで続くのかについては、世界中の社会情勢や各国の経済対策など、多岐にわたる要因が複雑にからみ合っており、簡単に解決できるものではありません。そのため、具体的な終了時期を断言することは難しい状況です。

ただし、この問題は簡単に解決できないため、資材価格高騰が住宅価格の上昇につながる状況がしばらく続くと予想されます。

助金や助成金を活用して少しでも負担を軽くしよう!

仙台市で住宅を建てる際、使える助成金の種類は以下の2つがあります。

  • 仙台市独自で行っている補助金
  • 国が取り組んでいる補助金

都市によっては、独自に行っている補助金がない場合もあります。自治体独自で補助金を運用していることは珍しいため、ぜひ活用していきましょう。

仙台で家を建てる時に使える補助金や助成金一覧

仙台市で住宅を建設する際、使える補助金や助成金は、仙台市と国のものを含めると以下のとおりです。

・仙台の補助金一覧

  • せんだい健幸省エネ住宅補助金(新築向け)
  • 仙台市熱利用システム導入支援補助金
  • 住宅用初期費用ゼロ太陽光発電システム導入事業
  • 仙台市木材利用促進支援補助金
  • スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金
  • 県産材利用サステナブル住宅普及促進事業

・国の助成金1「住宅ローン減税制度」

・国の助成金2「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」

どれも予算の限度額が決められており、先着順です。

住宅を建てると決めた場合は、どれも申請期限や申請枠の埋まり具合を確認し、申請期限に間に合うように対応しましょう。

せんだい健幸省エネ住宅補助金(新築向け)

『ZEH』以上かつ「市独自の断熱基準」を満たす新築住宅取得にかかる費用の補助

※断熱基準に応じて補助金額が設定されております。

仙台市熱利用システム導入支援補助金

熱利用システム(エネファーム・太陽熱利用システム・地中熱利用システム)を導入する際の費用の一部補助

エネファーム…上限10万円

太陽熱利用システム…上限最大9万円(対象経費の10分の1)

地中熱利用システム…上限最大50万円(対象経費の5分の1)

住宅用初期費用ゼロ太陽光発電システム導入事業

初期費用なしで、住宅に太陽光発電システムを設置するサービス(リース・電力販売)を提供する事業者に市が補助し、利用料の割引等が適用されることにより、利用者に補助⾦相当額を還元(一部控除の場合あり)

「住宅用初期費用ゼロ太陽光発電システム導入事業に係る登録事業プラン」に掲載されている登録事業プランが対象

太陽光発電設備…発電出力1kWあたり70,000円 上限350,000円

蓄電池…補助対象経費の3分の1 上限250,000円

仙台市木材利用促進支援補助金

宮城県産の木材を一定以上使用して仙台市内に住宅を建てる際の費用補助

新築…上限25万円(申請した新築住宅の内装等にも県産材を使用する際の補助もあり)

スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金

住宅等への省エネ・蓄エネ・創エネ設備導入や、改修を行う際の費用補助

太陽光発電システム(蓄エネ設備併設タイプ)…4万円

地中熱ヒートポンプシステム…補助対象経費の5分の1(上限50万円)

EV・PHV…10万円

蓄電池…6万円

V2H…5万円

家庭用燃料電池(エネファーム)…8万円

既存住宅省エネルギー改修…2千円~10万円

みやぎゼロエネルギー住宅…32万円

県産材利用サステナブル住宅普及促進事業

宮城県産の木材を一定以上使用して住宅を建てる際や住宅リフォームする際の費用補助

新築…上限50万円(申請した新築住宅の内装等にも県産材を使用する際の補助もあり)

※最新情報は公式ホームページをご確認ください。

国の助成金1「住宅ローン減税制度

住宅ローン残高の0.7%分が、所得税や住民税などの税金から控除されて戻ってくる節税対策になります。住宅ローンを借りている人のみの、お得な節税対策と言えます。

(2022年に行われた税改正により、住宅が省エネ基準適合住宅以上でないと控除されないことになっています。)

住宅ローンは長年続くものです。できる限り控除されるように、これから建築予定の方は、住宅ローン減税対象となる住宅基準について確認しましょう。

国の助成金2「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」

全世帯が対象となる、高効率の給湯器を導入した住宅向けの補助金制度です。年齢などの制限がされておらず、さらに新築とリフォームどちらも対象となります。

「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」は、家庭の中でエネルギー消費量が大きいといわれている、給湯器に注目した補助金制度になります。

資源エネルギー庁が発表した「エネルギー白書」によると、給湯器によるエネルギー消費の割合は、総消費量の3割を締めていることが分かりました。これはエアコンと同程度であり、決して少ない消費量とは言えません。

そこで政府は、高効率の給湯器を導入することで給湯器の消費量を減らせるのではないかと考え、この補助金制度を施行しました。高効率の給湯器や補助金の内容は、以下のとおりです。

効率の給湯器補助金額
家庭用燃料電池15万円/台
ハイブリッド給湯器5万円/台
ヒートポンプ給湯器5万円/台

近年、省エネ対策をしている住宅は増加傾向にあります。太陽光設備によってエネルギー消費量を下げようという意識も高まっています。その点、給湯器によるエネルギー消費量が高いことも忘れてはいけません。

エネルギー消費量を下げた省エネの住宅を建築する場合は、確認しましょう。

補助金や助成金を活用する場合の留意事項

申請を検討する前に、以下の点を必ずご確認ください。

  • 申請期限がある
  • 予算枠が達している場合、受給できないことがある
  • 複数の補助金を併用することが制約されていることもある
  • どの補助金制度にも当てはまらないこともある

申請期限がある

全ての補助金や助成金には、申請期限が厳しく定められています。いつでも申請すれば受け取れるわけではないため、申請期限に間に合うように着手し、必要な書類を整えなければなりません。

一方、申請期限を過ぎた後でも、補助金が受け取れないわけではありません。一部の都市では、新たな補助金制度を定期的に導入しています。ただし、その時にならないと、新制度が適用されるかどうかはわかりません。

確実に受け取れる補助金に焦点を当てることが、受け取れない制度に期待するよりも重要です。万全の準備を整えた後で、申請手続きを進めることが何よりも大切です。

予算枠の上限に達している場合、受給できないことがある

補助金や助成金の制度は、予算額が厳密に設定されています。そのため、たとえ申請期限内であっても、申請額が予算額の上限に達した場合は申請が締め切られてしまいます。

複数の補助金を併用することが制約されていることもある

補助金は、併用不可のものもあります。

また制度によっては併用ができるものもあるため、補助金を使ってお得に建てたい場合は確認が大切です。

どの補助金制度にも当てはまらないこともある

補助金制度では、補助対象となるための条件が定められ、さらに期限も設けられています。

他の補助金制度も締め切られてしまい、どの補助金も利用できない場合も考えられます。このように、人によっては何も使えない期間に当てはまってしまう可能性もあることを理解し、補助金制度に関する情報を確認しましょう。